【論文】ACS Appl. Nano Mater. (2021)

[油水界面を利用したナノ粒子光捕捉]
水/ヘキサンまたは水/イオン液体からなる液液界面を利用することで、溶液中のTiO2やZnS-AgInS2 (ZAIS)などのナノ粒子や金ナノ粒子の光捕捉に成功しました。
鳥本教授(名古屋大学)、坪井教授(大阪市立大学)、飯田教授(大阪府立大学)、大谷教授(北海道大学)らのグループとの共同研究の成果です。

  • 研究成果のポイント
  • 低開口数の対物レンズによる弱い集光でもナノ粒子を光捕捉することに成功
  • ヘキサン/水界面で光捕捉した八面体金ナノ粒子とZAISナノ粒子からなる複合体が回転する現象を発見
  • 水/イオン液体界面で光捕捉した八面体チタニア(TiO2)ナノ粒子に紫外光を照射すると、水中のHAuCl4の光触媒還元反応が起こり金ナノ粒子が生成することを実証(光トラッピングの化学反応応用)
  • Optical Trapping of Nanocrystals at Oil/Water Interfaces: Implications for Photocatalysis
  • Yasuyuki Tsuboi*, Shota Naka, Daiki Yamanishi, Tatsuya Nagai, Ken-ichi Yuyama, Tatsuya Shoji, Bunsho Ohtani, Mamoru Tamura, Takuya Iida, Tatsuya Kameyama, Tsukasa Torimoto*
  • ACS Appl. Nano Mater., 4 (2021), 11743-11752.
  • DOI: 10.1021/acsanm.1c02335
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【論文】ACS Appl. Mater. Interfaces (2021)

[インコヒーレント光を用いた光捕捉法]
従来の光ピンセットには高強度のレーザー光(コヒーレント光)が必要不可欠ですが、チタンナノ構造体(ブラックチタン)を用いることで、高圧水銀ランプ(インコヒーレント光)でも水溶液中のナノ粒子を捕集できることを発見しました。
坪井教授(大阪市立大学)、鳥本教授(名古屋大学)、Ivanova教授(RMIT大学)、Juodkazis教授(Swinburne工科大学)らのグループとの共同研究の成果です。

  • 研究成果のポイント
  • 波長370 nmの微弱な紫外光(通常の光ピンセットの106分の1スケール)をブラックチタン表面に照射すると、溶液中のポリスチレンナノ粒子(直径20-500nm)を光捕捉することに成功
  • 波長 480,546,580 nmのインコヒーレント光では捕捉できず、紫外光がこの高効率な光捕捉に必要不可欠であることを実証
  • ブラックチタン表面にある不動態のTiO2層が重要な役割を担っている可能性があることを電磁場シミュレーションの結果と併せて示唆した。
  • Incoherent Optical Tweezers on Black Titanium
  • Sayaka Hashimoto, Yuki Uenobo, Ryota Takao, Ken-ichi Yuyama, Tatsuya Shoji, Denver P. Linklater, Elena Ivanova, Saulius Juodkazis, Tatsuya Kameyama, Tsukasa Torimoto, Yasuyuki Tsuboi*
  • ACS Appl. Mater. Interfaces, 13 (2021), 27586-27593.
  • DOI: 10.1021/acsami.1c04929
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【論文】Langmuir (2021)

[集光レーザー型光ピンセットによるコアセルベート形成]
集光近赤外レーザー光による光圧と光熱効果によりポリ(N,N-ジエチルアクリルアミド) (PDEA)水溶液中にwater-in-oil-in-water(w/o/w)型のコアセルベート液滴を形成することに成功し、液滴中の高分子構造を顕微ラマン分光法により明らかにしました。
坪井教授(大阪市立大学)、麻生准教授(大阪大学)らのグループとの共同研究の成果です。

  • 研究成果のポイント
  • 温度応答性高分子のPDEA(Mw = 74,000, Mw/Mn = 1.1)軽水溶液中に波長1064 nmの近赤外レーザー光を集光すると、w/o/wエマルジョン様の単一液滴の形成・光捕捉に成功
  • 顕微ラマン分光法により液滴中の高分子濃度をおよそ30 wt%と決定することに成功
  • 下限臨界溶液温度(LCST)以上に溶液を加温し形成した液滴を光捕捉すると、拡散律速凝集(DLA)とオストワルド熟成に起因する液滴成長を観測
  • Formation of Single Double-Layered Coacervate of Poly(N,N-diethylacrylamide) in Water by a Laser Tweezer
  • Mitsuhiro Matsumoto, Taka-Aki Asoh, Tatsuya Shoji, Yasuyuki Tsuboi
  • Langmuir, 37 (2021), 2874-2883.
  • DOI: 10.1021/acs.langmuir.0c03009
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【論文】ACS Appl. Nano Mater.(2020)

[プラズモニックマイクロバブルを利用したシアノバクテリアの捕集・固定化]
共鳴光照射に伴いプラズモンナノ構造体上に発生するマイクロバブルを用いて、光合成細菌のシアノバクテリアを集めて、プラズモン構造体上に固定化できることを見出しました。
上野教授(北海道大学)、村越教授(北海道大学)、民秋教授(立命館大学)、坪井教授(大阪市立大学)らのグループとの共同研究の成果です。

  • 研究成果のポイント
  • 高強度のプラズモン励起光を照射すると、マイクロバブルが形成され、溶液内に分散するシアノバクテリアをバブル周囲に捕集することに成功
  • 捕集した一部のシアノバクテリアは生きたまま構造体上に固定化されることを発見
  • プラズモンバイオセンサーの新たな作製方法として今後期待
  • Thermo-Plasmonic Trapping of Living Cyanobacteria on a Gold Nanopyramidal Dimer Array: Implications for Plasmonic Biochips
  • Shota Naka, Tatsuya Shoji, Sho Fujii, Kosei Ueno, Yumi Wakisaka, Kei Murakoshi, Tadashi Mizoguchi, Hitoshi Tamiaki, Yasuyuki Tsuboi
  • ACS Appl. Nano Mater., 3 (2020), 10067-10072.
  • DOI: 10.1021/acsanm.0c02071
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【論文】ACS Appl. Nano Mater.(2020)

  • Optical Trapping of Polystyrene Nanoparticles on Black Silicon: Implications for Trapping and Studying Bacteria and Viruses
  • Sawa Komoto, Tatsuya Nagai, Ryota Takao, Kenta Ushiro, Mitsuhiro Matsumoto, Tatsuya Shoji*, Denver P. Linklater, Saulius Juodkazis, Yasuyuki Tsuboi*
  • ACS Appl. Nano Mater., 3 (2020), 9831-9841.
  • DOI: 10.1021/acsanm.0c01901
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【論文】J. Phys. Chem. B(2020)

  • Microanalysis of Single Poly(N-isopropylacrylamide) Droplet Produced by an Optical Tweezer in Water: Isotacticity Dependence of Growth and Chemical Structure of the Drople
  • Kenta Ushiro, Tatsuya Shoji*, Mitsuhiro Matsumoto, Taka-Aki Asoh, Hideo Horibe, Yukiteru Katsumoto, Yasuyuki Tsuboi*
  • J. Phys. Chem. B, Vol. 124 (2020), 8454-8463.
  • DOI: 10.1021/acs.jpcb.0c06932
  • 雑誌のSupplementary Coverに採択!
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2020年講演情報

招待講演(Invited Presentation)

  1. 電子情報技術部会 マイクロナノシステムと材料・加工分科会
    • 1月16日
    • ナノ構造を用いた光ピンセットの分析化学への展開
    • 東海林 竜也
    • 国内会議 @JACI会議室(東京都千代田区)
  2. レーザー学会 学術講演会 第40回年次大会 
    • 1月22日
    • プラズモン光ピンセットによるソフトマターの光捕捉:分析化学への応用展開
    • 東海林 竜也
    • 国内会議 @仙台国際センター(宮城県仙台市)
  3. 第58回 日本生物物理学会年会
    • 9月18日
    • Nanostructure-assisted optical tweezers for soft matter manipulation
    • Tatsuya SHOJI
    • 国内会議 @オンライン
  4. 第32回 散乱研究会
    • 11月20日
    • ナノ構造体を用いたナノ物質光マニピュレーション法の開発
    • 東海林 竜也
    • 国内会議 @オンライン

一般講演(Contributed Presentation)

  1. 2020年web光化学討論会
    • 9月10日
    • プラズモン光捕捉したポリ(N,N-ジエチルアクリルアミド)による分子濃縮・検出法の開発
    • 東海林 竜也, 松本 充央, 坪井 泰之
    • 国内会議 @オンライン