[集光レーザー型光ピンセットによるコアセルベート形成]
集光近赤外レーザー光による光圧と光熱効果によりポリ(N,N-ジエチルアクリルアミド) (PDEA)水溶液中にwater-in-oil-in-water(w/o/w)型のコアセルベート液滴を形成することに成功し、液滴中の高分子構造を顕微ラマン分光法により明らかにしました。
坪井教授(大阪市立大学)、麻生准教授(大阪大学)らのグループとの共同研究の成果です。
- 研究成果のポイント
- 温度応答性高分子のPDEA(Mw = 74,000, Mw/Mn = 1.1)軽水溶液中に波長1064 nmの近赤外レーザー光を集光すると、w/o/wエマルジョン様の単一液滴の形成・光捕捉に成功
- 顕微ラマン分光法により液滴中の高分子濃度をおよそ30 wt%と決定することに成功
- 下限臨界溶液温度(LCST)以上に溶液を加温し形成した液滴を光捕捉すると、拡散律速凝集(DLA)とオストワルド熟成に起因する液滴成長を観測
- Formation of Single Double-Layered Coacervate of Poly(N,N-diethylacrylamide) in Water by a Laser Tweezer
- Mitsuhiro Matsumoto, Taka-Aki Asoh, Tatsuya Shoji, Yasuyuki Tsuboi
- Langmuir, 37 (2021), 2874-2883.
- DOI: 10.1021/acs.langmuir.0c03009